やっと、ここが救急車の中だということを理解した。 でも、なんであたし救急車に乗ってるの? 腕にひやりとした感覚があり、チクリと痛みが走る。 今までの話から考えて、輸血の注射針が刺さったらしい。 あたしと目が合った医者があたしに言った。 「頑張るんだよ。もうすぐ病院に着くからね」 頷こうとしたが、体が動かない。 あたしは返事をする代わりに目を閉じた。 すると、すぐに意識は薄れていった。 .