始まりは、嘘。

「桐島です」


本人もそう答えてくれた。




昨日暗くて顔見えてなかったからわからなかったや。







「あ、今行きます」


と言って机の間を通り抜けて駆け寄ろうとしたとき。





「わっ!!」



案の定、つまづいてしまった。


けど、

「っと、大丈夫か?」



「うん、大丈夫!!ありがとう篠田くん」

クラスで仲のいい篠田優(シノダ ユウ)くんが支えてくれたから、助かった。



危ない危ない、桐島くんの前で醜態を晒すところだった。