歪んだ愛の結末は。

ガチャ。
ナイスタイミングで佐伯さんが部屋に入ってきた。

「春、さすがに丸かじりはないでしょ。」
この状況を察したようで呆れながら私からリンゴを受け取った。

「莉菜さん、皮を剥いてくるので少し待っていてください。」
佐伯さんの今日の笑顔も爽やかすぎる...っ!
私は小さく頷いた。
そして、佐伯さんは春さんに向き直った。
「じゃ、春、頑張れ。」
そう言って、佐伯さんは出ていった。

頑張れって、どういうことなんだろう。
春さんの方を見てみると困ったように顔を歪ませていた。

「....。」

「....。」

「.....。」

「そっち、座ってもいいか?」
沈黙を破ったのは春さんだった。
「は、はいっ。」
ビックリして声裏返っちゃったよ...。