男は私をベッドに投げるように突き放し、部屋を出ていってしまった。
なにがしたかったんだろ...?

でも、これはチャンス。今のうちに逃げなきゃ。
私は制服に着いたシワを適当に伸ばし、立ち上がった瞬間、男が扉から顔をのぞかせた。

「大人しくしてろ。」

そう言って入ってきた男は大きな箱を大事そうに抱えていた。

に、逃げられなかった...。

私は絶望でベッドに力なく座り込む。

「まずは、これとこれか。」

男はそんな私に気づくことなく、箱からなにかを取り出した。

「莉菜、目をつぶれ。」
最初は従う気なんてなかったはずなのに、彼の声を聞くと体が勝手に動いてしまう。