「なんで、私なの...。」

一般的な家庭で育った
一般的な女子高生で
なんにもしてないのに。

「お前は何も知らなくていい。でも、ここから逃げようとはするな。」

もういいよ。逃げないもん。
なにしても無駄なら、わざわざ痛いめにあいたくない。

「随分素直になったんだな。」

蓮は私から離れると頭をぐしゃっと撫でた。

「あと少しだけ食えるか?」

私は小さくうなずき、口を開けた。