歪んだ愛の結末は。

甘い臭いがした。
優しくて、あたたかくて...

「ひっく....うぅ...」

私は佐伯さんの腕のなかで静かに泣いた。
今までの恐怖を涙と一緒に洗い流すように。

「...すみません。」

ポツリと佐伯さんが呟く。
佐伯さんはなにも悪くないのにどうして謝るの?

私にはなにもわからない。

蓮のことも
お父さんとお母さんのことも
自分がなんなのかも。

なにも知らないわたしだけど
一つだけ言えることがあるの。


....蒙昧な自分はなによりも怖い。