「りなー?思い出したのかな。」

お兄ちゃんが私の目の前で手をパタパタしている。

「お、お兄ちゃん....。」

私は無意識に後ずさった。

「どうして逃げるの?」

お兄ちゃんは足枷に繋がっている鎖を引っ張った。

「きゃぁ!」

「そんなに可愛い声で誘ってるの?」

私は勢いよく首を横にふる。

「ふふ。冗談だよ。本当に素直だね。」

そう言ってお兄ちゃんは昔みたいに頭を撫でた。