歪んだ愛の結末は。

案外、あっさり出れるんだね。
私は4階の階段を下りながら呑気なことを考えていた。

家に帰ったら、お母さんとお父さん、泣いて喜んでくれるかな?
「心配した」って、言ってくれるかな?
優しく抱き締めてくれるかな?

もう少し、もう少しで...。


「何をしている。」

ひとつしたの踊り場にいたのは、神埼蓮だった。

ゆっくりと階段を確実に一歩ずつ上ってくる足。

私は彼が追い付く前に廊下へ走り出した。