私は真っ白な部屋にいた。
床にはクレヨンや画用紙が散乱していた。
たくさんのぬいぐるみがあって、可愛らしいお人形もある。

それでも、幼い私が一生懸命にやっているのはお勉強。

「莉菜様、経済はもういいので数学のお勉強をしましょう?」
いつもお勉強を教えてくれる、使用人兼家庭教師の瑞穂さんが言った。

「お兄様は経済学が得意だから、私もお勉強したいのっ!」

写真でしか見たことのない、私のお兄様。
真っ白な髪に金色の瞳。
少し日本人っぽくはないけど、私のお兄様。

「じゃぁ....少しだけですよ。」

そう言って、瑞穂さんはいつも甘やかしてくれる。