あれから10年がたった。
親父の会社はますます大きくなり、全国でも知らない人はいない。

「蓮さま、綾都さまが動き出したようです。」

「莉菜の住んでる家まで車を出せ。」

「かしこまりました。」
計算済みかよ....。
綾斗との約束は1ヶ月。
1ヶ月間、俺は莉菜と一緒にいられる。
それだけで俺の口角は上がった。

綾都、お前に莉菜は渡さない。