「な、なにをいってんだよ....。」

「やめろ、綾都。」
正臣が止めにはいるも、効果はないようだった。

「ふむ、では、仕方ない。この子が16歳になるまでというのはどうかな?この子は土台になるはずの心ができていない。まずはゆっくり創っていかねばならんからな。ちなみに、このアザや足枷の跡は警察に言うこともできるぞ。」

綾都は悔しそうに顔を歪め、したを向いた。

「儂も君たちに意地悪をしたいわけではない。10年後、双方1ヶ月間だけ莉菜ちゃんと過ごし、莉菜ちゃんが一緒にいたいと思った方を選ぶ。もし、どちらも気に入らぬなら、この話はなし。これなら文句はないだろう?」

「はい。」
綾斗は不満気味に返事をした。

「それはよかった。ほら、君たち、10年間会えないんだから。」
そう言って、親父は俺たち4人を莉菜の前に立たせた。
莉菜は俺達を怯えた瞳で見ていた。

「りなちゃーん、元気でねー。」
陸は目に涙を浮かべ、笑顔で言った。
最後らへんは無理しているのか、嗚咽も混ざっていた。

「背中丸めてんなよ。最後くらい笑え。」
春はそっぽを向いたまま、言った。

「莉菜さん、本当に楽しかった....です。」
ヒナはしたを向いたまま、涙を流していた。