歪んだ愛の結末は。

莉菜の兄貴....、
一度だけ、会ったことがある。

莉菜とあってまだ日もたっていない頃に、莉菜の住む別邸の廊下ですれ違った。
一瞬だけ目があったが、その目は殺気に満ちていた。

まるで俺の侵入を拒むようだった。
今思い出してもゾッとする。

「でねー、莉菜ちゃんのお兄ちゃんの綾都君がー、莉菜ちゃんを本邸に移そうとしてるんだってー。」

「は....?」

莉菜を本邸に...?
何考えてるんだよ。
今の状態でこんなにボロボロなのに、あの義母と一緒の家に住むなんてなったら....。

「でしょー。俺も春もヒナもビックリしちゃってさー。」

なんだよ、それ...。