「蓮さん....?」

きょとんとした顔で首をかしげる。

「俺の前で作り笑いすんな。」

言葉の意味が伝わったのか不安だった。
少しの間、莉菜は黙り混み、静かに泣き出した。

「.....嫌われちゃいや。」

「俺は嫌いにならない。」

俺は黙って莉菜の背中をさすった。

「.....ありがとう。」

人の笑った顔は嫌いだった。
いつも家の財産目当てでよってくる女。
バカみたいに親を自慢するガキ。
みんな、自分をみてない。

そんな俺でも
初めて俺という存在を見つけてもらえた気がした。