僕が妹の存在を知ったのは中学生の時だった。

親父の不倫相手にできた子供らしい。
勿論、親父は出産には反対したが、女は莉菜を生んだあとに自殺。
....他殺の可能性も十分あるが、そこはどうでもいい。

莉菜は西園寺家の隠し子としてひっそりと育てられた。

足には鎖、そして、狭いあの部屋から出ることを許されることはなかった。

僕は本邸の方に住んでたから別邸に住む莉菜には一度もあったことがなかった。


でも、ある日、偶然、見つけてしまった。

黒い綺麗な髪を肩の辺りまで伸ばし、ちょこんとベッドに座っていた。
そして、右足には禍々しい鎖。

それからは暇潰しのため毎日別邸へと足を運んだ。
ただの暇潰しだったのに、いつのまにか莉菜が僕の生き甲斐になっていた。