私は気づいたら四角い部屋の中にいた。
幼い子が生活するには十分な広さ。

ベッドの上にポツンと座る5歳の少女。
....これが私。

右足には灰色の足かせが付いている。

「莉菜様、今日は経済のお勉強ですよ。」

使用人らしき人が私に声をかけた。

「はい。」

幼い私は笑顔で答える。
此所では嫌われてはいけない。
お父様にもお母様にも、お兄ちゃんにも。