「綾都様!」

綾都と呼ばれた男は端整な顔立ちをしていた。
グレーの髪に黄金色の瞳。
黒いスーツを誰よりも着こなしている。

この人は誰....?
私の腕をつかんでいた男はすぐに放した。
なんでこんなに態度が変わったの....?

「久しぶりだね。莉菜。」

私に一歩ずつ近づく男。

「だ、だれ....?」

私は恐怖で身動きが取れなかった。

「そっか、忘れちゃったんだね。いいよ、許してあげる。」

そういうと、男は私の腕をつかんだ。

「きゃぁ!!」

「怯えないで。帰ろう、僕らの家に。」