何も知らない君

「見てたのね?」

「えっ!」

「そうなんでしょ?」

美月が珠洲音の両肩をガシリと掴んだ。

「痛……」

(美月……)

珠洲音の目にうつった美月の姿は、人間ではなかった。

(違う……これは、幽霊じゃない。)

ジリジリと食い込む美月の指の爪。
これは、人間の力には思えなかった。

(怨霊………?)