魔王がこの世界を滅ぼそうとしていました、なすすべもなく倒されていく者達、そしてそんな中、神の啓示により一人の弱冠十七歳の勇者が立ち上がったのです。
 仲間の女剣士、黒魔法使い、僧侶などなどともに勇者は旅にでて、見事魔王を倒したのです!
 

 ええまあここまではよくあるお話です。
 そしてそれからの物語って、語られた事ありました?

 大体は王女様か王子様と結婚して幸せになりました、めでたしめでたしなんですねえ。

 これはそこから先のお話です。

 ……ぶっちゃけこの時代が勇者一番のモテ期じゃないかな?
 だって魔王倒したら勇者の存在価値って0っていうか、ただの強いだけのなんというか……ただの人っていうか力もてあまし気味の困ったちゃんに下手したらならない?
 うん、ぶっちゃけあの時王子様のプロポーズうけときゃよかったんだよねぇ。

 これは平和になったその後の世界の物語、王子様のプロポーズを断った女勇者のその後のお話です。
 つうかやっぱり平和になった世界って勇者の存在意義って0だよね。

 あーあただの村娘だった私が神の啓示によって勇者に選ばれ、そして仲間とともに旅にでて魔王を倒したってのは私の人生の中で一番のリア充の時だった。

 ふう、真実の愛があるの、王子様とはそれがないなんて、お花畑のこと思っていたこともあった。
 まだ若かったんだよ……。

 ふ、二十七歳になった私のこれからの人生どうなるんだろう?