「颯太くん、おわり。いいよ」

わたしがそう声をかけると、颯太くんは振り向いてわたしを見て言った。

「顔が赤い」

そう言われて、わたしはさらにかーっとなった。頭に血が上っていくのが自分でわかるから、もっと恥ずかしくなって、うつむいてしまう。

ただの採寸なのに。意識しすぎてる自分が情けなくて、いたたまれない。

わたしは颯太くんに背中を向けて、顔を見られないようにして言った。

「いいから。次の人呼んで」

と、颯太くんがわたしの手からメジャーをとりあげた。

わたしは驚いて、颯太くんの顔を見上げた。

「俺が測るよ」

「え」

「いまのでだいたいわかったから。俺が測る」