お母さんは 私がイジメられて


いるのを薄々気付いていた


何度もお父さんに


言おうって言っていたけど


私はそれを断った


高校は 家から少し


離れた所を選んだ


それなのに・・・なんで?


拓巳に会っちゃうの?


目を開けると 自分の部屋の


天井があった


私・・・どうやって


部屋に戻ったんだっけ?


「美玲? 起きたか?」


声のする方を見ると


拓巳が心配そうな顔をして


私の頰に触れた


「・・・拓巳」


「玄関で倒れたんだ・・・


俺が部屋まで運んだんだけど


大丈夫か?」


そう言いながら 拓巳は


ベッドに座って


私の前髪を上げ 額をくっつけた