あの時から ずっと変わってない


美玲を想う気持ちだけは


甘かったのかもしれない


本当は 気付いていたのに


知っていたのに・・・


見て見ぬフリをしていた


「兄貴」


声のする方を見ると


祐介が立っていた


「お前・・・学校は?」


「・・・早退した


それより 自分が何したのか


わかってんの?」


そう言いながら 祐介は


悔しそうな顔をしながら


俺を睨んでいた


「美玲さんをまた悲しませんの?」


「それは・・・」


違うって言えなかった


美玲を 悲しませたくない


さっき そう決めたのに・・・


「俺は 美玲さんの


泣き顔はもう見たくない


てかさ 兄貴気付いてたんだろ?」


「・・・」


「それなのに・・・見て見ぬフリした


兄貴は 彼女を見捨てたんだよ」


見捨てた・・・


その言葉が 胸に突き刺さった


「・・・とにかく 俺なら


美玲さんを見捨てたりしない


兄貴とは違うから」


そう言いながら 祐介は


どこかに向かった