re:START〜また、君と、

「・・・祐介君 なんで?」


確か 家は反対のはず


「友達の家がこの近くで


帰り道なんです」


そう言いながら 祐介君は


少し困った顔をしていた


「・・・祐介君って


優しいね」


「・・・そんな事ないです


美玲さんこそ 何やってるんですか?」


「ちょっと 気晴らし?」


疑問形にそう言っていた


さっきの事・・・祐介君には


言えない


「何か悩んでるんですか?」


「え?」


悩んでる?


そんな事・・・ない


何も・・・悩んでない


そう言いたかったけど


出来なかった


「私・・・祐介君に


助けてもらってばかり・・・」


あの時も・・・助けてくれた


「・・・俺は いつでも


美玲さんの味方ですから」


祐介君は そう言いながら


私の前にしゃがんで


手を伸ばした


掌が私の頰に触れた


「やっぱり・・・兄貴の事


まだ好きなんですか?」


「え? 何言ってるの?」


少し 動揺してしまった