re:START〜また、君と、

そう思うと 少しだけ


悲しくなった


「・・・私なら平気だよ」


本当は 平気じゃない


でも そう言わないと


またあの時みたいに


なりそうな気がしたから


「だから・・・詩織の事


あまり悪く言わないで」


キーンコーン・・・


予鈴が鳴って 祐介君は


廊下を歩いた


ちょっと・・・言い過ぎたかな?


私は 自分の席に戻った


詩織は・・・私にとって


初めての友達


去年の入学式で クラスに


馴染めない私に


声をかけてくれた


『私 金本詩織って言うの!


あなたは?』


『あ・・・美玲』


『美玲ちゃんかー 可愛い名前だね


美玲って呼んでいい?


私も詩織でいいから』


それから 詩織と友達になった


この学校には 知り合いが居ない


だから・・・安心していた


なのに・・・どうして


拓巳に会っちゃうんだろう?


いつの間にか 自己嫌悪に


なっていた