re:START〜また、君と、

---拓巳side---


これ以上 美玲を傷付けたくなかった


さっきの詩織との電話は


少し焦っていた


『拓巳 何かあったの?』


「え?」


『なんか・・・焦ってる気がしたから』


こういう時 詩織は鋭い


「別に・・・なんでもないよ


それより 何か用?」


話題を変えるように そう言った


『・・・ううん 大した事ないよ


ごめんね?』


詩織の様子が 少し変だった


何か・・・あったのか


なんとなくわかった


「詩織? 大丈夫か?」


『うん・・・拓巳は優しいね?


困ってる人 放っておけないから』


優しい・・・か


美玲の方を見ると


何か思い詰めた顔をしていた