好きになる理由

礼を言おうとすると砂山くんは


跳ね除けたボールを足ですくうと、


5回ほどリフティングをし、そのまま


空中にボールを浮かせて長谷川くんの


ほうへ蹴った。



「あ、ありがとう」



長谷川くんは戸惑った様子のまま


プレーを続けた。


砂山くんは腕についた砂を手ではらうと


まだこの学校のバッグじゃない


スクールバッグを肩にかけなおし、


この場を去ろうとしていた。