「見てた…。」
「ごめん…なさい…。」
「萌、ごめんじゃわかんないよ。
ちゃんと話して…?」
萌の瞳から静かに涙がこぼれ落ちた。
「萌ね、ずっと寂しかったの…。
夾君勉強ばっかりで、それでも萌との時間を作ってくれたりしてた。
でもバイト始めてから全然萌のことなんか構ってくれなくて…。
それで…どうしようもなく寂しくなっちゃって…。
ごめんなさいっ…。」
それだけ言うと萌はその場に泣き崩れた。
俺が萌のためにと思ってしていたことが
ずっと萌に寂しい思いをさせてしまって苦しめてたんだ…。
「萌…。
もういいよ。俺が悪かった。」
「ちがっ…。夾君は何も悪くないよ…。
萌が…萌が全部悪いのっ…。」
俺は萌を力いっぱい抱きしめた。
「萌は悪くないから。自分責めるのはやめて…。
もう寂しい思いさせないから…。
ほんとにごめんな…。」
「きょ…夾君…。」
萌はごめんねごめんね、と俺の腕の中で泣きながら何度も謝ってきた。
そんな萌を俺は黙ってずっと抱きしめていた。
