「夾!ごめんね、待たせちゃってたよねっ。」
「全然大丈夫だけど少し遅いから心配になって…。」
いつもの天使みたな笑顔で駆け寄ってくるくーちゃん。
「くるみの友達か?」
俺達のやり取りを見てた男が後ろからくーちゃんにまた声をかける。
「うんっ!あたしの彼氏の成海夾君っ!」
よかった。
ちゃんと彼氏って紹介してもらえた…。
ほっとしながらくーちゃんに目をやる。
「へー。あんだけ男嫌いだったくるみも遂に彼氏できたのか。
にしても彼氏君、可愛い顔してんなー。」
ハル君と呼ばれてるそいつが俺を見るなりニヤリと笑いながらそう言ってきた。
こいつ…。
絶対腹黒いだろ…。
「そりゃどーも。
くーちゃんもう帰ろ?」
それだけ言うと俺は下駄箱の方へと足を進めた。
「あ、夾待ってよっ!
ハル君また今度ゆっくり話そうねっ!
じゃあまたね!」
「おう、気をつけて帰れよー。」
ちらりとくーちゃんの声のする方へと目をやると少し慌てた様子で俺のあとを追ってきてくれる。
その後ろにいる男にも一瞬目をやったが
俺は見逃さなかった。
その男がくーちゃんに向ける眼差しを。
あれはただの知り合いに向ける目なんかじゃない。
どこか大事そうに、大切な物を見るような目で
そいつはくーちゃんのことを見ていた。
