家に連れて帰ると、最初の言葉が「家でけえな」だった。

「お母さんとお父さんが借りたんだって」

「家賃は?ちゃんと払えてるのか?」

「うん大丈夫。払えとは言われてるけど

出てけとはまだ言われてない。」

「だめだろそれ。」

続けて「仕方ねえな」とユキくんは苦笑する。

「俺がヒマリになんでも仕込んでやる家がないとな。

困るだろ?」

「こまるこまる。」

こまる、また使えた。

でも

「仕込む必要なんかないよ。

大人になっても横にいるって言ったじゃん。」

「それでも覚えなきゃいけねえもんなんだ」

面倒くさいな…。