「おひさ~、倫子ちゃん」 「あ、おひさーです」 思わずうつった。 「いやー、相変わらず、エロいか・・」 「はい、これ往診バッグ」 宗忠が菊池の頭の上にバッグを置いた。 「おいっ」 「なに?」 振り仰いだ菊池に、黒く笑い返している。 おまえ、何言うとした? いや、すいません。 目での会話が聞こえる。 「じゃ、いってらっしゃい」 「は?まだ茶も飲んで・・・いってきます」 宗忠の笑いに負けた菊池はすごすごと立ち上がった。