「あ、ああ。
 雪道でどんだけ時間をロスるかわからなかったから」

「そう、医者として流石だね」


皮肉を感じるのは私だけ?


玄関のカギを開ける音に、倫子は反応した。


お茶の用意をしなくては。


本院から交代の医師が来たということは、今日はお休みになるのか。


聞いていなかったが嬉しい。


倫子がお茶とお菓子を準備していると,宗忠は菊池にipadを見せながら、引継ぎをしていた。


「はい、これ携帯。
 今日の往診ルートの地図はipadに入っているけど、これ一応地図」

「お、サンキュー」


そこで宗忠は席を外していった。