でも、さ。


明日は初めてのクリスマスなのだ。


出会ってから、初めて。


付き合ってから、初めて。


そして、プロポーズされてから、初めて。


少しは期待しているのだが。


無理そうだ。


純和風の平屋を少しでもクリスマスの雰囲気にしたくて、家のあちこちにちょこちょこと飾ってみた。


アンバランスにならないように、小さなグリーンの枝のリースや細くて小さな赤いリボンにベルをつけたものとか。


すかさず宗忠は気づいてほめてくれた。


さすが王子。


倫子はにやけてしまった頬をこする。


一緒にいられるだけ幸せなんだし。


結論に達すると倫子はさくっと思い煩うのをやめて、掃除を開始した。