「倫子さん」 「はい」 静かな呼びかけに、倫子は真摯に答えた。 「つ~かまえたっ」 王子らしからず、ニヤッと笑った。 見えた。 今、間違いなく見えた。 悪魔の揺れる尻尾と、角が。 「さ、帰ろう」 「え?」 「もう、脱がすのが待ちきれない」 「はあ?」 「ほらほら、いそいで。 ご馳走さまっ」 宗忠はテントの裏の方に声をかけ、倫子の腕をとるとずるずると引きずっていく。