菊池はギャーギャー騒ぎながら、トロトロと出発していった。 「やれやれ手のかかる男だ」 部屋に戻ってきた宗忠はぼやく。 「当番医がくる日だったんだ」 「うん、だって、二人の初めてのクリスマスじゃない」 にっこり笑った。 倫子の顔が赤くなる。 気づいていたんだ。 やっぱり、チキンの丸焼きとかケーキとか用意しておいたほうがよかったかな。 もしかしたら忘れている宗忠に、プレッシャーになると思って、今夜はいつも通りの夕食にするつもりだった。 今から買い出しに行こうかな。