*莉乃side




「ねぇ、今日のおっきなクジラでかかったね!」





「…あぁ」





「クラゲも、すんごく可愛かった!」





「…あぁ」






なんだか、今日のデートは楽しくなかった。





優くんが一日中ぼうっとしてるし。





今つないでいる手も、私がつないでいるだけ。





話を振っても、"あぁ"しか言わないし。






暗くて寒い、夜の住宅街。





優が突然立ち止まった。






「え、優??」







なになに?どうしたの?















すると次の瞬間、優が抱きしめてきた。






抱きしめるというより、しがみつくというか。





私にもたれかかるように。






いきなりのことで、頭が混乱する。