あたしたちは慌てて車を下りるとその箱へ向かって走りだしていた。
それは車が1台通れるだけの細い道に隠れるようにして立っていた。
普通のポストよりひとまわりほど小さく、そして薄い赤色をしているポスト……。
見た瞬間、自分の心臓がドクンッと大きく跳ねるのを感じていた。
「これって……!」
友太さんがポストの横へまわり、集荷の時間を確認している。
「何も書かれてないな」
そう呟き、正面へ戻る。
集荷時間の書かれていないポストなんて、あたしは見たことがない。
「これが『過去ポスト』……?」
「あぁ。そうなのかもしれない」
友太さんが頷く。
あたしはゴクリと唾を飲みこんだ。
探していたものが今目の前にある。
それが信じられなかった。
「一か八か、手紙を入れてみるといい。持って来てる?」
「は、はい!」
あたしはそう言い、カバンから水色の手紙を取り出した。
あて先は夏。
届けてほしいのは去年の夏。
あの日の前日だった。
それは車が1台通れるだけの細い道に隠れるようにして立っていた。
普通のポストよりひとまわりほど小さく、そして薄い赤色をしているポスト……。
見た瞬間、自分の心臓がドクンッと大きく跳ねるのを感じていた。
「これって……!」
友太さんがポストの横へまわり、集荷の時間を確認している。
「何も書かれてないな」
そう呟き、正面へ戻る。
集荷時間の書かれていないポストなんて、あたしは見たことがない。
「これが『過去ポスト』……?」
「あぁ。そうなのかもしれない」
友太さんが頷く。
あたしはゴクリと唾を飲みこんだ。
探していたものが今目の前にある。
それが信じられなかった。
「一か八か、手紙を入れてみるといい。持って来てる?」
「は、はい!」
あたしはそう言い、カバンから水色の手紙を取り出した。
あて先は夏。
届けてほしいのは去年の夏。
あの日の前日だった。