「ふふっ」 その時のことを思い出して、小さく笑う。 あの日の思い出は、私を幸せな気持ちにしてくれた。 そんな幸せな気持ちに浸っている時だった。 私の後ろから「あっ」と、声が聞こえる。 「八雲……?」 私は、八雲が来たんだと思って振り返った。 すると、そこにいたのは……。 「……雨音……」 「っ……泉くん……」 そこにいたのは、バツの悪そうな顔をする泉くんの姿。 いつもなら、北園さんと帰っているのに、泉くんは1人だった。