この恋が罪だとしても



「今日はなんの曲弾いてくれるのー?」

「その前に、昼ごはん食べる」


それが当たり前のように、八雲はあたしの後を付いてきた。

これも、あたしの日常で、今更なので拒否したりはしない。

というか、絶対に引き下がらないから、面倒なんだ。


「あっ、それなら俺、唐揚げ食べたい」

「……あげないからね?」


八雲とは、つくづく会話が成り立たない。


初めてあった時からそうだったな……。


八雲と会ったのは確か、私が北園さんから記憶を奪ってしまった日から数日後の放課後のこと……。