*** 昼休みになった私は、チャイムがなると同時に席を立った。 そんな私の腕を、泉くんが掴む。 「えっ……?」 「待て、どこかに行くのか?」 「……どうして、そんなこと聞くの?」 今までの泉くんなら、私が昼休みにどこへ行こうと、気にもとめなかった。 なのに、どうして……? 「また、白石の所か……?」 「……え、八雲……?」 どうして、八雲の名前が出てくるんだろう。 私は、音楽室に行くだけだ。 それに、私が八雲といようと、泉くんが気にするような事じゃないのに……。