「八雲、はい」

「んー?なにこれ、飴??」


八雲に、取っておきのイチゴミルクキャンディを渡した。

すると、八雲はそれをマジマジと見つめて不思議そうな顔をする。


「私の非常食」


本当は、泉くんにもらった特別なキャンディ。

でも、それを話すのは恥ずかしいから、そう意地を張った。


「非常食……ぶっ!!」


一瞬目を点にした八雲は、すぐにまた吹き出す。

それに、私は八雲を軽く睨んだ。


「八雲、何がおかしいの?」

「くくっ、や〜……いいんですか、大事な非常食貰っちゃって」


睨む私を気にもせずに、八雲はカラカラと笑う。