「でも、一番はピアノかなぁ、今日は嬉しそうに弾んでる」

「え……って、八雲ピアノのことなんて分からないでしょ」

「えー?ピアノは分かんないけど、梓のことなら分かるんだなぁ、これが♪」


そう言って、またヘラヘラと笑う八雲を睨む。

また調子いいことばっかり言って……。


「本当に、八雲は口ばっかり」

「ハハッ、でも梓には本当の事しか言わないよ〜?」


ニコニコと笑う八雲の頭を、バシッと叩いた。

すると、なぜだか嬉しそうな顔をする八雲。


不思議だな……。

八雲といる時は、いつもの私でいられる気がする。

それはきっと、八雲が私をそうさせてくれてるんだろう。