「え……?」


振り返る雨音にハッとして、視線をそらす。


「あ、いや……また明日、学校で」


そう言うのが精一杯だった。

俺、どうしちまったんだよ……本当に。

戸惑いながらも雨音の顔を見ると……。


「っ……うん、また明日」


泣き笑いみたいに笑う雨音に、目を見張った。

な、なんでそんな顔してんだよ?

俺、また雨音のこと傷つけたのか……?


「雨音、お前泣いて……」

「またね、泉くん」


雨音はまた、弱みを隠すように前に向き直って、コンビニを出で行ってしまう。


気の利いたことも言えずに、ただ行かせた。

アイツまた、一人で泣いてるのか?

平気なふりをして、あんなに小さくて細っこい体で、一人……。


「雨音は……ただの悪いヤツじゃねぇのかも……」


最低なヤツだって、責めてる方が、楽だっただけだ。

俺が、この辛さのはけ口にしてた。


もう……否定出来ない、俺はアイツを……。

心のどこかで、信じたいと思ってるのかもしれねぇってこと……。