神社の隅っこの
人混みに流されないエリアで
ちょっと休憩。
快晴の空。
でも空気はさすように冷たい。
人混みにもまれなくなってから、
ようやく
カップルとか、見えてきて。
超つらい。もう帰ろう。
「迷子?」
その声に顔を上げた。
一瞬慶太くんかと思っちゃった。
あたしの顔を覗き込むのは、
慶太くんくらいチャラそうなオーラのある人。
首を横にふるふると振って、
通り過ぎようとしたら
「甘酒いる?」
って差し出された。
いらないって、何回も言ってるのに、
しつこいくらい、ついてくる。
そしたら、
「芙祐ちゃん!」
って、細い手に、
あたしの腕を捕まえられた。
「わたしたち、急いでるんで!」
ぴしゃりと言って
あたしの腕をつかんだまま、
人混みの中に走っていく、その子が
誰なのか、気づいたとき。
助けてくれたのに、
恩知らずなあたしは
あたしの腕をひく
麻里奈ちゃんの手を
ばしっと振り払ってた。
「あ……ごめん」
すぐに我に返って
麻里奈ちゃんに謝った。
「ううん。平気」
麻里奈ちゃんは、払われた手を
反対の手で押さえながら、あたしに微笑む。
黒い髪がさらりと揺れて
化粧気のない、陶器肌。
清楚な服。
ヤヨの元カノ。
ヤヨの、好みのタイプの、この子。
を、目指したあたし。
ものすごく虚しくなるほど
麻里奈ちゃんは、
今日も可愛い。
「……って、見つけた!!」
はっとして、
麻里奈ちゃんの手を掴んだ。
「え?」
麻里奈ちゃんは首をかしげながら
くすくすと笑って、
あたしに手を引かれてる。
とりあえず、人混みから
脱出した。
「ヤヨも、おうちのひともさがしてるよ?」
「うん、もう連絡した。やっちゃん、そこにいるよ」
指さす先を見ると、
自販機の前に、確かに、ヤヨ。
「……え?」
「やっちゃーん。芙祐ちゃん、いたよぉー」
ぱっと顔をあげるヤヨ。
ヤヨの左手から、
缶ジュースが落ちた。
全身の血が
さーっと引いていく体験を
今、初めてした。
人混みに流されないエリアで
ちょっと休憩。
快晴の空。
でも空気はさすように冷たい。
人混みにもまれなくなってから、
ようやく
カップルとか、見えてきて。
超つらい。もう帰ろう。
「迷子?」
その声に顔を上げた。
一瞬慶太くんかと思っちゃった。
あたしの顔を覗き込むのは、
慶太くんくらいチャラそうなオーラのある人。
首を横にふるふると振って、
通り過ぎようとしたら
「甘酒いる?」
って差し出された。
いらないって、何回も言ってるのに、
しつこいくらい、ついてくる。
そしたら、
「芙祐ちゃん!」
って、細い手に、
あたしの腕を捕まえられた。
「わたしたち、急いでるんで!」
ぴしゃりと言って
あたしの腕をつかんだまま、
人混みの中に走っていく、その子が
誰なのか、気づいたとき。
助けてくれたのに、
恩知らずなあたしは
あたしの腕をひく
麻里奈ちゃんの手を
ばしっと振り払ってた。
「あ……ごめん」
すぐに我に返って
麻里奈ちゃんに謝った。
「ううん。平気」
麻里奈ちゃんは、払われた手を
反対の手で押さえながら、あたしに微笑む。
黒い髪がさらりと揺れて
化粧気のない、陶器肌。
清楚な服。
ヤヨの元カノ。
ヤヨの、好みのタイプの、この子。
を、目指したあたし。
ものすごく虚しくなるほど
麻里奈ちゃんは、
今日も可愛い。
「……って、見つけた!!」
はっとして、
麻里奈ちゃんの手を掴んだ。
「え?」
麻里奈ちゃんは首をかしげながら
くすくすと笑って、
あたしに手を引かれてる。
とりあえず、人混みから
脱出した。
「ヤヨも、おうちのひともさがしてるよ?」
「うん、もう連絡した。やっちゃん、そこにいるよ」
指さす先を見ると、
自販機の前に、確かに、ヤヨ。
「……え?」
「やっちゃーん。芙祐ちゃん、いたよぉー」
ぱっと顔をあげるヤヨ。
ヤヨの左手から、
缶ジュースが落ちた。
全身の血が
さーっと引いていく体験を
今、初めてした。



