ヤヨの部屋。
クリスマスラッピングされた
赤い袋の口を縛る
金色のリボンをほどくのを、
一緒に見ているところ。


深く考えず
プレゼント開けてみよう
っていったのは、あたし。




「あ、すごい。名前入り」

ヤヨちゃん、そう言って、

……にこぉって擬音つきそうな
嬉しそうな笑顔で
ソレを掲げる。




……わんちゃん用のお洋服。


白くて
ふわふわした手触りの良い生地に
パステルカラーのラインが
首元、袖、裾のところに
さりげなく入ってる。



そんな服の片隅に
ゴールドの糸で刺繍される名前。
筆記体の「Mogu」。



「……よかったね」


あたしいま、
超白けた顔してるからね。



なんなら着せてみる?って
モグちゃんに着せたところだしね。



「似合う」


わしゃわしゃ、
ヤヨはモグちゃんの頭を撫でながら
満面の笑み。
今日イチの笑顔でちゃってるからね。




うん、白けた。



「……はぁ」