……ムリ。
これは、さすがに体に悪すぎる。



俺は芙祐の腕を離した。



「クリスマスなのに……」



そんな、泣きそうな声だすとか
ずるくね?お前、まじで悪魔。




「わかったから」



覆いかぶさるような形で、
芙祐を見下ろした。



キスだろ……。
それで、キスまでで止めれば合格なんだろ?



「……ほんと、この悪魔」



キスをした。


2回、3回。



「んっ、ヤヨ……」



声だすな。

とぶから。ぎりぎりの理性なんだよ。


「あたしのこと、ちゃんと好きなんだよね?」



潤んだ目で聞くことか?



つーか、なんなの。
こっちはこんだけ必死なのに。



「当たり前」



「よかった」


ふふ、と笑う。



そして、俺の首に腕を回して、


「愛してる、ヤヨ」



そう言ってまた、唇を重ねる。



「芙祐……もう。時間、遅いから」



どくどくと加速する心臓もだけど、
もうそろそろ、俺、ムリだから。



「やっぱ、俺ソファで寝るわ」



芙祐を越えてベッドから降りた。



暗い部屋の中、なんとなく見えるソファに横になろうとしたら



「……そんなに嫌ならいい」



と、すねた時の声で芙祐が言う。



「あたし別の部屋で寝るから、ベッドで寝てよ」



芙祐が部屋から出て行き、バタンと強くドアを閉めた。