冷蔵庫の中身をヤヨに見せたら


「……オムライス?」


って言うから、それに決定。


チキンライスまではなんとかなったけど。卵は無理。卵焼きしか作ったことないもん。



3回失敗したころ「俺がやろうか?」ってヤヨがいうから、乙女心に響きつつ、感謝の交代。



「ヤヨって料理できるんだ」



「したことないけど。オムライスは作ってるのよく見てたことあるから」



って言いながら真剣な顔して卵混ぜてる。しゃかしゃか、結構さまになってるよ。ヤヨすごい。




「よく見てたって、お母さんの得意料理とか?」



「いや麻里……」



そこで言葉止めたヤヨは、ヤバって顔してフライパンに卵を流し入れてる。



「ふーーーーん」



へぇ。
麻里奈ちゃんね。



「……いや、違う。から」



どう違うんだか。
半分くらい拗ねながら、あたしは離れてテーブルの準備。



どーせ、料理得意な麻里奈ちゃんのより美味しくないだろうけど。



ママの作ってくれてたスープとサラダの盛り付けとか。フォークとスプーンとランチョンマットとか。
おしゃれなテーブルにしてみせるから。



テーマは高層ビルのレストランね。


ママとパパのシャンパングラスにジュースのシャンパン注いじゃうから。


ついでにワインクーラーに氷いれてシャンパンのボトル冷やすから。



うん、それっぽい。上出来。



「でき……た、なんだこれ!」



ヤヨびっくりしてる。



「あっ、美味しそうー」


ヤヨが持ってるオムライス、卵がトロフワなんだけど。超すごい。



「なにこのモデルハウス?」



「モデルハウスじゃなくて高層ビルのレストラン!」



「すご」



ヤヨの感想、また二文字。