とーちゃく。
漫画喫茶。
思ってたより綺麗。嬉しい。



カップルシートっていうのが一番響き的にはよかったのに。


空いてなかったから、結構広めの個室になった。四畳半はありそう。



ファミリーシートっていうんだって。そんな響きもなかなかいいね。



「こたつだー。綺麗だし、なんか可愛い部屋だね」


「広」


ヤヨの感想はたった二文字だったけどね。あたしはちょっとワクワクがとまらない。



寒がってたヤヨをこたつがあっためながら、2人であったかいココア飲んでる。


ほのぼのクリスマスイブ。すき。



「隣行っていい?」


「狭いからだめ」



ふられた。けど隣に移動しちゃうのが彼女の特権だと思ってるよ。



「……狭いんだけど」


「へへ。暖まったらダーツ行こー?」


「芙祐ダーツできんの?」


「やったことないから手取り足取り教えてね」



「……。見よう見まねでお願いします」



「ヤヨのばか」


「はは、拗ねんなバカ」



ヤヨ笑ってる。


一気に、余計好き。



すぐ隣にいるヤヨをぎゅうって抱きしめた。



ホネホネしてる。けど肩幅大きい。


硬い胸板はドキドキ言ってる。



サイズ感ははなまる。
あたしにぴったりサイズ、ヤヨちゃん。



「離せ」


「嫌だよ」


ずっと聞いてたいもん。この激しいドキドキ音。



顔上げてみた。
あたしニヤけた。



「ヤヨちゃんほっぺ赤い」


「うざ」


可愛すぎ。可愛すぎ。
ヤヨのこと大好き。



「なんかヤヨって押し倒したくなる」



そしたらもっと赤くなりそうだもん。
それって、もう。悶えるしかないよね?



「ふざけんな」



ヤヨ、顔を一回腕で隠してそう言ったと思ったら。