「俺は、こんなに誰かを好きになったことはないから。だから離れない」


真っ赤な顔、片腕で隠した、今。


あたしを安心させようとした、
ヤヨの全力。

ヤヨのばか。
もう、胸いっぱいだよ。


不器用で、真面目で、照れ屋さんで
たまに子供っぽいヤヨのこと
まるごと全部愛してるから。


「ヤヨちゃん、キスしよ?」

「今してたじゃん」

「もっとしたい」

「—―……。あとで。ハーフタイム」

「……ちゅ」

軽く、軽くだよ。ヤヨ。


「ほんとに芙祐は……」


そのあきれ顔、もっと見たいよ。


ふふ。
欲張りでごめんね、ヤヨちゃん。

これから何十年も、
もっともっと
そばにいたいな。


―END-