【完】もっとちょうだい。

「俺の何がわかんない?」

いっぱいあるけど、
一番わかんないのは。聞きたいのは。

「あたしと付き合ってる間、ちょっとでも麻里奈ちゃんのこと好きだった……?」

ヤヨはしゃがんだまま、あたしを見上げて、


「俺そんな器用じゃないけど……」

なんだか自信なさげに答える。

「麻里奈ちゃんには指輪かったけど、あたしには軽率だから駄目なんでしょ?もう麻里奈ちゃん……特別じゃん」

「それさぁ……、だってお前何回指輪貰ってきた?コップ一杯分くらいありそうじゃん。指輪つけてきたと思えば、大して期間たってないのに別れたとか言って外して……。もう半分いわくつきだろ」

「いわくつき……!?」

「……だから絶対あげたくなかった」

「いわくつき……」


そんなこと思ってたの……?

「じゃあ麻里奈ちゃんは慎重に考えてあげたけど、あたしは駄目とか、そういうことじゃないってこと?」

「麻里奈全然関係ない。ただ……別れたくなかっただけ」


どきどきと心臓が鳴ってる。


「まぁ、別れたけどな」

ふっと笑うヤヨ、もう半分以上投げやりな笑顔。


「……二番目に麻里奈ちゃんが大事っていうことは、じゃあ、無いの?」

恐る恐る聞くと、


「だからありえないって……」

ため息交じりに言う。

「本当?」

「うん」

「あたしだけ好きだった?」

「うん」

「……よかった」

「また泣く……。だったら別れたときも泣けよ」

「それは、違う……」

「……ちっ、この」

今、舌打ちしたでしょ、ヤヨちゃん。