普通科も自由登校になって、
それから間もなく、あたしの受験日が来て、
まぁそこそこに終わって。


パソコンの前で合格通知を確認した。
今。三回目。
ほっぺ痛い。
……夢じゃない。


「……うかった」


慶太くんも受かったって、
匠くんから藍ちゃん経由で聞いて、
心の底まではいかない程度だけど、ほっとした。


心の底は、まだヤヨの心配。


ヤヨの受験日は1週間後。
それまで沈黙を保つのが、今のあたしにできることで。


あんまり見たくなかったけど、
はつもうでの日に買ったお守り
壁にかけて、


毎日、朝昼晩三回。
”ヤヨが受かりますように”って
願掛けてる。


……ヤヨの受験が終わったら。


ダメ元だけど
告白したい。


ヤヨなんか。

愛が足りないし、
釣った魚に餌やらないし。


元カノのこと好きだし。
二番目なんかいない!って言えない男だし。


デリカシーないし、
冷たいし。
好きって言ってくれないし。
追いかけてきてほしいときには来ないし。


あげく、あたしが
ヤヨと遊びで付き合ってたとか
言っちゃうようなひとだけど。



でも……
そんなヤヨでもいいから。



今度こそ、


慶太くんみたいに、
まるごと全部
愛して、受け入れるから。


……もう一回チャンスが欲しい。


だって、ヤヨがいないと
ぜんぜん楽しくないんだもん。


もう、”もっともっと”って
欲張らないから。


……ふつうの
ヤヨだけでいいから。