「本当にごめん。俺が悪かった」

そう言ったら、
芙祐はじろっと俺を見上げた。

「うん。わかった」

そういって、芙祐はほんの少し視線を下げる。

「わかったって……いいの?」

拍子抜けした俺が、間抜けにそう聞いたら

芙祐は曖昧に首をかしげた。

「わかったけど、全然よくはない。けど今、受験があるから、こんな風にもやもやしてたくない」

「じゃあ……どうしたらいい?」


情けないけど聞いた。


「……ヤヨがしっかりするまで距離を置きたい」

俺がしっかりって……?
いやそれよりも

「……距離置くって……」

桜木慶太も言ってただろ。
距離を置くってのは、結構リスク高いって俺も思う。


それを忠告されてて、それでも芙祐はそうしたいん?


「そのまま付き合うってのは芙祐の中では……無いの?」

「それは無理。大学落ちたくない」

断言されて、思わず深く溜息が出た。

落ち着け……。
心臓が嫌なほど速く脈打って
胃がキリキリしはじめた。


「距離置いた結果、結局別れることってまぁまぁ多いって、俺は思うんだけど……」

「あたしは……そうなっちゃうなら仕方ないと思う」


芙祐はこっちを見て、はっきりとそう言った。